3年次

助産課程

 3年時に選抜があるため、希望者全員が助産課程を履修できるわけではありませんが、ここでは、助産師基礎教育について他大学ではあまり取り入れていない授業についてお知らせします。

 「チーム医療の推進に関する検討会」報告書(平成22年3月)のなかに、「助産師は、正常分娩であれば、自ら責任を持って助産を行うことができることから、産科医との連携・協力・役割分担を進めつつ、その専門性をさらに活用することが期待される」と記載されています。つまり、助産師はローリスク妊産褥婦と新生児のケアの専門家であるわけです。

助産師養成数と就職状況

山梨大学医学部看護学課助産課程の理念

私たち山梨大学の助産師基礎教育の理念は以下の通りです。

理念:
助産師は、ローリスク妊産褥婦と新生児、家族のケアの専門家である
使命:
地域で生活をするローリスクの妊産婦、褥婦・新生児、家族の健康に貢献する自律した実践ができる助産師を養成する
目標:
教員は、自律した学習・実習ができる助産学生(自律した学習者:learner autonomy)を育てる。助産学生は、自律した学習・実習ができる

助産課程のスケジュールと概要

この理念のもと、私たちは皆さんに様々な学習を準備しています。

助産学選択者の選考 3年生の12月

少人数でアクティブラーニング 3年生の2月、4年生の4月~5月

 助産学の講義・演習は主に3年生の2月、4年生の4月~5月に集中講義で行います。
 ほとんどの講義が事前課題に基づくディスカッションです。学生と教員、学生同志の相互交流を通して、視野を広げながら知識の習得を図ります。

少人数でアクティブラーニング

授業風景。机の上は事前学習やテキスト等、資料でいっぱいです。

臨地学習(BSL; Bed-side Learning) 3年生 2月ごろ

 妊娠期の学習は、診療所に出向き、実際の妊婦健診に立ち会い事例を通して学習する臨地学習(BSL; Bed-side Learning)を取り入れています。

早期臨床体験(ECE; early clinical exposure) 3年生 3月ごろ

 母性看護学実習では、分娩に立ち会えないことが多いです。そのため、分娩経過の授業をしても、なかなかイメージすることができません。そこで、春期休業中に、実習施設と連携し、早期臨床体験(ECE; early clinical exposure)を取り入れています。ここでは、臨床指導者の指導のもと、分娩に立ち会い、産婦さんの安楽なケアの実践や、分娩経過図(パルトグラム)の客観データの記載を行います。そして4月以降の授業では、これらの記録をもとに、分娩期の助産診断について学習をします。

実習施設での分娩介助演習指導  4年生6月ごろ

 2014年からそれまで学内で実施していた分娩介助演習を、それぞれの実習施設に出向き、実際の実習の場、物品を使い、臨床指導者に指導して頂くことを始めました。学生からは、実際に行く実習施設の環境で学習できること、実際に実習で指導を受ける助産師から指導を受けることができるため、助産学実習への移行がスムーズであったと高評価を得ています。

実習直前の実践的な演習

 分娩介助実習に備えた分娩代1期の母子の管理、分娩介助技術、分娩中の出血の対応、出生直後の新生児の蘇生はシミュレーションで学びます。
 また、妊婦健診や産後の健康教育のカウンセリングスキルや教育スキルを学びます。

新生児蘇生法の演習風景

新生児蘇生法の演習風景

新生児蘇生法の演習風景

新生児蘇生法の演習風景

 

非常勤講師・新生児集中ケア認定看護師 岡園代先生 母性看護専門看護師 八巻和子先生

PMC研修会では先輩助産師と一緒に学びます。

テーマ  産後のケア
-小集団対象の参加型保健指導-

PMC研修会

PMC研修会

講師 さくら産院 顧問 田村一代先生

講師 さくら産院 顧問 田村一代先生

 

助産学実習 8月~10月 10週間

8月~10月10週間の実習です。
実習病院は山梨赤十字病院と山梨大学医学部附属病院です。
病棟の皆さんで実習生をサポートしてくださっています。

山梨赤十字病院
2階西 はくちょう病棟の皆様(小児・小児外科・産婦人科<NICU3床 未熟児3床>)

産婦人科では、助産外来、妊産婦保健相談、母親学級、立会い分娩などを通して、妊産褥婦、新生児の生活背景への視点を重視し、地域医療との連携を図っています。小児科では、看護師、保育士とともに遊びを取り入れながら、成長・発達過程の子どもたちの生活援助行っています。安全で安心・満足度の高い妊娠生活・分娩から子どもの健やかな育ちへの援助として小児科につなげた育児支援に力を入れています。
平成24年7月よりNICUを開設し、周産期医療の充実をさらに強化しました。

(病院ホームページより)

助産外来

助産外来を担当する助産師から直接指導を受けられます

山梨大学医学部附属病院
産科病棟・よつ葉ルーム

山梨大学医学部附属病院では、助産師が主体となって分娩を取り扱う院内助産システムを国立大学病院で初めて開設しました。
 助産師が中心となって医師と協働しながら、妊娠から出産、育児までをご夫婦、ご家族のバースプランに沿って助産外来から継続的なケアを提供しています。産婦さんが本来持っている「産む力」と赤ちゃんが持っている「産まれる力」を最大限に活用し、助産師が専門性を発揮しながら安心・安全・満足な「お産」を目指します。

(病院ホームページより)

助産外来

また、助産外来では、妊婦の健康診査を医師と協働して、ご主人やお子さんなど、ご家族と一緒にゆったりした雰囲気の中で、日常生活での心配事の相談やお腹の赤ちゃんの様子を診ています。助産外来を担当する助産師は、保健指導や骨盤ケア、超音波機器の技術等を鍛練し、妊娠・出産の安全性と快適さの確保に努めています。助産師の卒後教育を充実し、誇りを持って活躍できることを目指しています。

(病院ホームページより)

山梨大学医学部附属病院Webサイト 看護部の取り組み

実習記録

実習記録

指導者からのコメント

分娩介助実習は臨床助産師から直接指導を受け、事後の評価やコメントをいただきます。厳しくも暖かいご指導を受けながら成長します。本当に10週間のご指導に感謝申し上げます。

学生Aさん 3例め
  • アセスメントや計画修正に時間がかかり、あまり積極的に産婦さんや家族と関われませんでしたね。少しずつタイムリーにアセスメント、計画できるようにしていきましょう。
  • 必ずアセスメント、助産診断をしてから計画しましょう。S)O)データ→P)となっていることが多かったです。
  • 進行の予測やアトニン増減の判断、産婦や家族への声賭けなど学ぶことが多かったですね。今後、産道裂傷の予防や、安全に分娩が進行できるよう学んだことを活かしてください。
  • 産後の出血は量だけでなく、何の出血であるか、アセスメントしましょう。
  • 実習お疲れ様でした。急速遂娩にて途中交代しましたが、その中で自分ができることを探し動くことができていました(分娩セットを開くなど)。とても良かったと思います。
学生Bさん 6例め

こちらから声をかけたり質問すると答えが返ってくるのですが、あまり報告や相談を自ら出来ていない印象でした。考えていることは、もっと自信を持って伝えてみてください。「どうしたらいいでしょう」ではなく「~だから○○したい」と。
 スタッフはもちろんついていますが、主の介助者はBさんなので、産婦さんや家族にもスタッフより先にどんどん声をかけていって下さい。後半に入ったので、スタッフはBさんの自主性や積極性に期待していますよ。

学生Cさん 10例め

 分娩第1期でのアセスメントはよくできていたと思います(次に診察しようと思うタイミング、産婦の変化の把握など)。継続ケースということもあり、産婦さんとの関係性が良かったかなと思います。あとは進行の予測をする時に、産婦さんの表情や声漏れ、子宮収縮、心音の変化から読み取るのももちろんですが、実際に産婦さんに触れることも心がけると良いと思いました(お腹を触ったり、肛門圧迫をしてみたり)。産婦さんは陰部を見せることが「当たり前」ではないので、内診以外で判断できる情報をなるべくたくさん集めるように心がけてください。
 また、産婦さんと関わる上で、助産師の声掛けはすごく意味を持ちます。少しでも前向きにお産にむけるよう、色々な声掛けができるといいと思います。精神的ケアとしては、声掛けではなく、手も使えるようになるといいですね。分娩第Ⅱ期は、赤ちゃんが大きくてなかなか頭が出ず大変だったと思います。色々なお産を経験して行って下さい。

卒業研究  10月~12月

卒業研究をまとめ、提出、発表会をします。主に実習でさらに深めたいと思ったテーマを取り上げます。

平成28年度 助産学生の1年間

みなさん、こんにちは!平成28年度山梨大学医学部看護学科助産学専攻の助産学生4名です。

今回は、山梨大学で助産学を専攻した私たち4名がどのような1年間を過ごしてきたのか紹介していきたいと思います!

2015年12月(3年次後期)【助産の先生方と学生4名の顔合わせ!】

この日は、助産学専攻選抜試験の合格発表日で、朝からドキドキしていました。合格発表後、助産学専攻が決まった4名とこれからお世話になる先生方とで初めての顔合わせが行われ、今後の目標や理想の助産師像などを発表し合いました。 看護学実習に加えて助産課程が始まることに対する不安もありましたが、“助産師になりたい”という自分の夢に大きく近づくことができたという喜びがとても大きかったことを今でも覚えています。 一方で、上の写真からも私たちの初々しい距離感は十分伝わっていると思いますが、私たち4名は看護学実習の実習班も普段仲良くしている友人関係のグループもそれぞれ異なり、面識はありながらもあまり関わったことがありませんでした。お互い緊張しつつ、新たなメンバーで1年間の実習を過ごしていくことへの期待も膨らみました。

2016年2~3月(3年次後期)【授業&分娩介助見学実習】

春休み期間中、私たちは助産学の授業や分娩介助の見学実習がありました。授業は先生と学生4名のディスカッション形式で行われました。先生が一人ひとりの意見を尊重しながら授業を進めて下さったため、自分の考えや学んだことをアウトプットしつつ新たな知識や考え方をインプットしていくことができ、産科学・助産学についての学びを深めていくことができました。 分娩介助の見学実習では、看護学生として母性看護学の実習を行った時とはまた異なる視点から助産師の役割を学ぶことができました。初めて赤ちゃんの誕生の瞬間に立ち合った際にはとても感動し、母の強さ、お産のすばらしさを改めて感じました。また、勉強だけではなく、授業が休みの日には4人で遊びに出掛けて息抜きをするなど、学生間の距離を縮めていくこともでき、とても充実した期間でした。

2016年3月(3年次後期)【助産課程・国家試験を終えた4年生先輩方との交流会

3月には、助産課程・国家試験を終えた先輩方との交流会を行いました。助産課程、そして、看護師・保健師・助産師の国家試験全てを終えた先輩方は自信と達成感に満ちた表情をしており、とても輝いて見えました。 この時期、4年生への進級を控えた私たちは、これから始まる助産学実習や国家試験など不安な気持ちでいっぱいでしたが、この交流会で先輩方から様々なお話を聞かせて頂いたり、アドバイスを頂くことができ、これから1年間どのように過ごしていけばよいのかをより具体的に知ることができました。実習についても、国家試験についても先輩方から直接生の声を聞くことができたこの交流会はとても貴重な時間だったと思います。 私たちも1年後、先輩方のような表情をしてこの交流会を迎えることができたらいいね、と先輩方が最も身近な私たちの目標となりました。

2016年6月【分娩介助演習】

看護学実習のインターバルを使って、分娩介助演習がありました。山梨大学医学部付属病院の分娩室をお借りし、モデル人形を用いて分娩介助の技術トレーニングを行わせて頂きました。 私たちは助産学実習を山梨大学医学部付属病院で行わせて頂くことになっていたため、実習が始まる前のこの時期に、実際の実習でも使うことになる分娩室や分娩台で実技のトレーニングを受けることができたことはとても良い演習になったと思います。病棟の助産師さんや先生方から手厚く指導を受けることができ、短い演習期間ではありましたが夏から始まる分娩介助実習のイメージを持つことができました。

2016年7~10月(4年後期)【助産学実習!!】

看護学実習をすべて終え、助産学実習(分娩介助10例、新生児受け3例、継続事例1例など)が始まりました。24時間オンコールという過酷な実習だったため、とても大変でした。しかし、4人で実習室に集まっては情報を共有したり相談し合ったり(お菓子は必需品でした!)と、協力しお互い励まし合いながら過ごしました。 先生方や病棟のスタッフの方々は、私たちが理解できるように時間をかけて丁寧かつ熱心に指導してくださり、根拠に基づいた思考や判断を学ぶことが出来ました。先生方や病棟スタッフの方々、実習に協力してくださった妊産褥婦とそのご家族の皆様にはとても感謝しています。

2016年12月(4年次後期)【卒業研究発表会】

助産学実習を通して興味をもったことや疑問に感じたことをテーマとして、研究を行いました。附属図書館の文献を用いて文献検討を行ったり、実際の分娩介助事例の分析などを行ったりして、それぞれのテーマに対して考察して研究をまとめていきました。発表会では4名それぞれの研究発表を聞き、これから助産師として働く際に活かしていきたいと思いました。上の写真は研究発表会を終えたときの写真です。顔合わせのときの写真と比べてみると、断然距離が縮まりました。研究発表後は、本格的に国家試験へ向けての勉強に取り組みました。問題集を解いたり参考書を読んだりして各自で勉強を進め、分からない問題を持ち寄って4人で勉強することもありました。保健師、助産師、看護師の3つの試験勉強を平行して行わなければならず、時に心が折れそうになることや不安な気持ちに押しつぶされそうになる時もありましたが、ここまでの大変な実習を乗り越えてきた自分たちを信じ、諦めずに最後まで頑張りました。国家試験は東京会場での受験でした。1日目は助産師、2日目は保健師、最終日は看護師の国家試験があり、4人で同じホテルに泊まり、何とか試験日程を終えることができました。

2017年3月卒業式

3月23日、晴れて山梨大学医学部看護学科を卒業しました!卒業式では袴姿で学位を頂き、卒業することに実感が湧いてきました。助産課程でご指導頂いた先生方と一緒に写真を撮って頂きました。 助産学を専攻してからの1年間はとても長かったように感じますが、こうして振り返ってみると一瞬だったようにも感じます。辛かったことも大変だったことも沢山ありましたが、それ以上に自分の成長を感じることができ今は達成感でいっぱいです。そして、助産学を専攻する前には関わりの無かった私たち4人ですが、1年間を一緒に乗り越えていく中でかけがえのない仲間となりました。個人個人ではなく、4人全員で頑張ることができたからこそ、大変な実習も国家試験も乗り越えることができたのだと思います。

これから私たちは、それぞれの選んだ場所で新米助産師として一歩を踏み出します。これからもきっと辛いことや大変なことは沢山あると思いますが、この1年間をやり遂げた私たちなら必ず乗り越えていくことができると信じて頑張っていきたいと思います!

最後に…

山梨大学の助産課程では、今回紹介した演習、実習以外にも山梨市にある個人病院の産婦人科に妊婦健診の見学実習へ行かせて頂いたり、東京にある助産院に実習へ行かせて頂いたり、新生児蘇生法についての講習や、救急救命士の方々と一緒に産科救急についての講習を受けさせて頂いたりと、様々な面から助産師になるための学びの場を与えて頂くことができました。そのような機会を作って下さった先生方、山梨大学附属病院の先生、助産師の方々、地域の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。